「なぜ、お墓は石で作るのか?」

@イザナギとイザナミの話。
  日本最初の歴史書「古事記」に、お墓の源「千引石(ちびきいわ)」が登場します。全三巻のうち上巻の「神代巻」、イザナギの命(みこと)とイザナミの命(みこと)による国生みのお話の中です。
  二人は次々と日本の国土を生み、つづいて海や山、石や水・・・・それぞれをつかさどる三十五もの神々を生みます。しかし、火の神を生んだときイザナミの命は火傷を負って死んでしまいました。嘆き悲しんだイザナギの命は、死者の世界である「黄泉(よみ)の国」まで愛しい妻を訪ねていきます。ところが、代わり果てた妻の恐ろしい姿に驚いて一目散に逃げ出し、巨大な石で出口をふさいでしまいます。そして、その石を隔てて最後の別れの言葉を交わすのです。この石が「千引石」であり、お墓の源流です。

つまり、あの世とこの世の通り道にふさがれた石だということです。

A石に宿る霊力
 日本人は神話の時代から「石」には霊が宿ると考えてきました。八百万(やおよろず)の神々と いうように自然界のあらゆるものに神が宿ると信じられていますが、なかでも石に宿る霊力は特 別なのです。日本人が古代からお墓を特別な霊が宿る「石」で造るのは、「石」の霊力を信じる  伝統があるからなのです。

B野生の動物に掘り起こされないため。
 亀岡市でも、昭和30年までは土葬でした。
 お墓の下に眠るご先祖様を、野生の動物が掘り起こし、荒らしてしまうのを防ぐために、
 重くて動かせない石を置いたのが始まりとも言われています。





 
「なぜ、お墓にろうそくを灯すのか?」

@ろうそくの灯りには
 燃焼する炎
(炎で周りの不浄を清める)
 周りを明るく照らす光
(煩悩の闇に光を当てる の2つの要素があります。


 さらに、ろうそくの明かりはご先祖様と現世の私達を結ぶ架け橋です。 お盆やお彼岸などにも、この明りに沿ってご先祖様は彼岸(あの世)から此岸(この世)にやって来られます。つまり、暗い道をこの光をたどって、ご先祖様が会いにきてくださるということですね。



「なぜ、お墓に線香をつけるのか?」

@臭いを消すため。

  死者が出た場合、その死臭を紛らわすため、あるいは仏様の前に出るにあたって、自らの人間臭を消すという意味があります。
A浄土を感じるため。
もう1つは、浄土には芳しい香りが見ていると説かれていて、お香を焚くというのは、その場に浄土を感じる、あるいは再現するという意味があります。





 
「戒名とは、何か?」


仏の弟子になったことをあらわす名前です。

本来は出家して仏門に入り、守らなければならない戒律を受け入れた弟子に与えられる名前です。現在では、故人をたたえ、仏弟子として浄土に往生するために、菩提寺の住職から故人に戒名を授けてもらいます。菩提寺の無い人は葬儀を取り仕切る僧侶に授けてもらいます。

戒名はもともと二文字で構成されていましたが、それに院号、道号、位号などが加わり長くなり、一般には全体を「戒名」と称しています。

浄土真宗では、「戒名」のことを、「法名」、日蓮宗では「法号」とも言います。

   




「なぜ、お墓に樒を供えるのか?」


「樒」(しきみ)には浄化作用があるため。
 別名:「仏前草(ぶつぜんそう)と呼ばれています。
 果実は猛毒で、「悪しき実」のアが省略されたものと言わ れてます。

「しきみ」は仏前や墓前に供えます。
昔土葬にしていた頃、遺体を埋めた墓地を動物が掘って荒らしたため、これを防ぐために、 有毒植物である「しきみ」を供えることで動物を避ける役目をしました。これが現在では墓地に「しきみ」を植える習慣となりました。




 
「なぜ、戦没者の墓は先が尖ってい
るのか?」

@神道形式だから。

  先が尖っている墓石は、神道形式です。墓石や葬式は仏教式が一般的ですが、戦死された方は靖国神社に祀られることもあって神道形式で葬られています。

また、そこに刻まれる戒名は、武運や忠君を意味する勇壮な言葉が並び、同時に戦死した年月日、戦死時の階級(通常は二階級特進)、戦死した戦闘なども刻まれます。
戦死者の墓石は、日清戦争あたりから見る事ができますが、日露戦争になると大きく立派なものになります。いかにも「名誉の戦死」を誇る様な勇壮な言葉が刻まれる事も多くなります。しかし、その後の戦死者の墓は小さくなり、形も同一の物が多くなります。
日中戦争、第二次世界大戦と続く戦争で、夥しい数の戦死者が出て、一人ひとりを悼む余裕もなくなり、墓自体も量産化が進んだのです。
今、お寺や墓地を回って、戦死者の墓を見ないことはまずありません。いかに多くの人が、国家のために命を落としたのか、粛然とする風景です。



 
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↓臨済宗のお寺の玄関などに飾ってある文字です。