延暦寺や金剛峯寺、高尾山薬王院などは禅宗伝来以前から山号を寺院名に付与しているが、これについては、最澄も空海もそれ以前から霊山と呼ばれる山林で修行を行っており、霊山に寺院を建立し、霊山の名称を寺院名に付与する事で、自然の霊力を寺院に付与させようとした事によるものと推定される。
また、霊山以外の地域に所在する寺院や、禅宗以外の寺院で仏教用語を山号として付与している場合については、大乗仏教では『法華経』などの様々な経典を釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法したとされている事によるものと推定される。
従って、釈迦ではなく、阿弥陀如来を本尊とする浄土系仏教の寺院については、山号が付与されていない場合が多い。
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